ひらのーと

≫2017年06月17日

父の日を前に考える「早期父不在」

明日は父の日です。
今年は例年より父の日の扱いが大きい気がしませんか!?
気のせいかな?笑

さて、先日、論文を検索していると興味深い論文を見つけました。

余田 翔平、林 雄亮「父親の不在と社会経済的地位達成過程
http://ci.nii.ac.jp/naid/130004677357

「早期父不在」はライフデザイン・キャリアデザインの観点からも考えられるでしょうし、教育学の観点からも、社会学の観点からも考えられそうです。
この論文では教育達成と初職達成を出生年コーホートの中の父存在群と父不在群で比較分析されています。
本文中結論から表現を拝借して内容をまとめると
・高校進学率における教育達成格差はほぼ解消されたが、短大以上の進学機会は近年拡大
・その教育達成水準における父不在の不利は就職に持ち越されて、専門職・大企業ホワイトカラーを初職とする割合では有意な差がある。
とのこと。


29歳大学職員の私としては考えることは、
大学職員としては「意欲と能力があるにも関わらず大学で学ぶ機会に恵まれない状況」をいかに減らすか
(将来的になると仮定して)父親としては自分の子供の選択肢をいかなる状況においてもなるべく多く確保するか
です。

論文中でも可能性を指摘されているように早期父不在と教育達成、初職達成に因果関係を証明するのは難しいように思います。
「早期父不在」と言っても子供の物心の中の父親存在有無や、離別後の接触頻度によっても子供の意識や課題設定は異なってくるでしょう。
また死別なのかその他の何らかの事情による離別なのかによっても子供の意識は異なるでしょう。
父不在で想定されやすいのは金銭的ハンデですが、仮に母親がハンデにならないぐらい稼いでいれば解消されるでしょうし、それぐらいのいわゆる「バリキャリ」な母親をひとり親として持つことによってより強いキャリア意識を子供が持った結果、教育達成・所職達成が促進されることもあるでしょう。

相関関係が認められないとすると、私の意識はいかなる状況においても、学業や就職への父存在・不在の影響を少なくするかに移ります。
私の基本的な価値観としては
本人の努力は大きく影響するべきであり、本人により操作できない状況は影響すべきでない
というのを持っています。
簡潔にいうと
やりたかったらやる、やりたくなかったらやらない、それでどうなっても自分(その人)次第
です。

昨今話題になっている高等教育無償化の是非は別の議論として、
高等教育を受けるためのコストは本人負担(出世払い)の制度にしていくべきでしょう。
仮に高等教育を無償化するぐらいの財源を確保できるのであれば、奨学金の返済額設定をフレキシブルに変化させる制度を導入するべきではないでしょうか。
高等教育に携わる立場と高等教育を受ける立場の両方を持つ私としてはやはり高等教育を受けることは「投資」です。
回収の見込みが全く立たないのであれば必要性を再考しなければならないし、投資をするからには回収しなければなりません。
それに今から奨学金を給付制にしたり高等教育を無償化したりしたところでそもそもの議論のきっかけとなった世代の奨学金返済(※)の苦労はなくなりません。
本人の意思で学び、その後大きく成功して裕福になればきっちり奨学金を返済してもらえれば良いですし、本当に返済が難しいのであれば猶予ではなく免除とするというのが本来のあり方だと考えます(あくまでも高等教育無償化する財源があるのであれば、の話です)。

※奨学金は「返還」と表現されますが、私はあえて「返済」としています。

そして、父親としては。
私もいつ不慮の事故で死ぬか、いつ稼げなくなるかわかりません。離婚しないとも限りません。
これは内田樹著「困難な結婚」の「幸せになるためではなく不幸にならないために結婚する」考え方に非常に共感する部分でありますが、結婚するならやはり共働きでバックアップ体制を作っていきたいですね。
ジェンダー論的な男親女親の役割でいうと全くないとは言いませんが、私の場合は夫婦間での役割の逆転がしばしば起こるでしょうし、両親が両方をある程度賄えることで何かの要因で片親になっても影響を最小化できるようにしていきたいとも思います。

久々の投稿、長くなってしまいました。
土曜日の大学図書館もそろそろ閉館なのでこのへんで(^_^)/


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ひらっついったー

プロフィール

平野優貴

Author:平野優貴
1987年大阪生まれ。2010年立命館大学政策科学部卒業、東京の私立大学に入職。横浜在住。
教務経験後、2015年にキャリアセンターに異動したことをきっかけにキャリア形成や人的資源管理などといった分野への関心が強まる。入職前から興味を持っており、志望動機といっても過言ではない「大学経営」「事務職員の教育人化」といったあたりと結びつく……のか?
立命館大学在学中に出会った学生FD活動は細く長くゆるやかに続けております。初期の初期の話(いわゆる昔話)をお聞きになりたい方がいらっしゃれば積極的にお伝えしております。
趣味は野球観戦(いや、もはや野球「参戦」)、旅、カメラ、マラソン、トレーニング、スタバ巡り、ペーパーレス化、等々。好きな街は横浜、仙台、神戸、台北。
(2015年11月21日更新)

※当ブログの内容は個人の見解・日常の記録です。あらゆる所属組織の見解とは一切関係ありません。
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